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家計簿を始めては挫折した回数を正確に数えると、3回だ。
1回目は27歳のとき。100円均一で買ったノートに書き始めて、2週間で飽きた。レシートを毎回保管するのが面倒で、気づいたら机の引き出しにレシートが山積みになっていた。
2回目は29歳。スマホの無料家計簿アプリ「Zaim」をインストールした。最初の1ヶ月は真面目に手入力していたが、外食が続いた週に入力をさぼったのを機に、アプリを開かなくなった。
3回目は30歳。Excelで自作のシートを作った。項目設計が凝りすぎて、入力するだけで10〜15分かかるものができ上がった。2週間で「これは趣味じゃなくて仕事だ」と気づいてやめた。
そして31歳の4月、マネーフォワードMEを入れた。それから1年半、今も続いている。
なぜ3回挫折したのに4回目が続いたのか
答えは一言で言える。「手入力がほぼゼロになったから」だ。
マネーフォワードMEの最大の特徴は金融口座との自動連携だ。銀行口座、クレジットカード、証券口座、電子マネーを登録しておくと、取引が自動で記録されてカテゴリ分けまでしてくれる。
僕が登録したのはこれだ。
- 住信SBIネット銀行(給与口座)
- 三井住友カード(日常の買い物)
- 楽天カード(ネットショッピング)
- SBI証券(投資口座)
- Suica(交通費・コンビニ)
これを最初に設定してしまえば、あとはアプリが勝手に集計してくれる。自分がやることは「たまに誤ったカテゴリを修正すること」と「Suicaのチャージを忘れずに残高連携させること」くらいだ。
Zaimを使っていた頃と比べると、家計簿に使う時間が月30分以上から月5分以下に減った。
無料版と有料版、何が違うのか
マネーフォワードMEには無料版と有料版(プレミアム)がある。料金は月500円か年間5,300円(月換算で441円)。
一番大きな違いは連携できる口座数だ。
| 機能 | 無料版 | プレミアム(月500円) |
|---|---|---|
| 連携口座数 | 4件まで | 無制限 |
| データ閲覧期間 | 直近1年 | 無制限 |
| 予算管理 | 基本のみ | カテゴリ別詳細 |
| 資産推移グラフ | 直近1年 | 無制限 |
僕は最初6ヶ月間、無料版で使った。連携口座4件というのは、銀行1・クレカ1・証券1・電子マネー1という構成になる。メインカードが1枚なら無料版で十分だ。
プレミアムにアップグレードした理由は、楽天カードを追加したくなったからだ。楽天市場での買い物が増えて「クレカが2枚になると4枠を使い切ってしまう」となったタイミングで課金した。
月500円を高いと感じるかどうかは、連携口座の数次第だと思う。口座やカードを1〜2枚しか持っていなければ、無料版で一生使える。
連携設定の実体験、うまくいかなかったところ
連携設定は基本的にはアプリ内でIDとパスワードを入力するだけで完結するが、うまくいかなかった口座が2つあった。
Suicaの連携
Suica(モバイルSuica)は、マネーフォワードとの連携に「JRE ID」というアカウントが必要だ。このJRE IDを持っていなかったので、別途登録する手間がかかった。登録自体は5分で終わるが「なんで直接Suicaと連携できないんだ」と思ったのは正直なところ。
SBI証券の連携
SBI証券は連携できるが、取引明細の反映に時間差がある。買い付けをした翌日か翌々日に反映されることが多い。リアルタイムではないので「昨日買った分がまだ表示されていない」ということが起きる。慣れれば気にならなくなる。
実際にどれくらい節約できたか、具体的な金額
マネーフォワードを使い始めて一番驚いたのは「思っていたより食費と娯楽費が多かった」ことだ。
使い始めた月の集計はこうだった(税込、1人暮らし)。
| カテゴリ | 実際の支出 | 感覚上の支出 |
|---|---|---|
| 食費(外食含む) | 68,000円 | 45,000円くらい |
| 娯楽・趣味 | 32,000円 | 20,000円くらい |
| サブスク・通信 | 14,500円 | 10,000円くらい |
感覚と現実のズレが合計で約40,000円あった。これは衝撃だった。
ここから3ヶ月かけて改善したこと。
- 外食の回数を週4回から週2回に減らした:食費が月68,000円から52,000円に(-16,000円)
- 使っていないサブスクを3つ解約した:Hulu、使っていなかったマンガアプリの月額、フィットネスアプリ(-3,200円/月)
- コンビニ寄り道を減らした:Suicaの履歴を見て気づいたが、週4〜5回コンビニに寄っていた。月換算で6,000〜8,000円(-4,000円/月)
3ヶ月後の支出と比べると、月に約23,000円減った。年換算で276,000円の節約になる計算だ。「家計簿なんてつけても意味ない」と思っていたのに、視覚化するだけでこれだけ変わった。
マネーフォワードとZaimの比較
前に使っていたZaimとの違いで感じたことをまとめる。
| 項目 | マネーフォワードME | Zaim |
|---|---|---|
| 自動連携の精度 | 高い(誤分類が少ない) | 普通(誤分類が多め) |
| レシート読み取り | あり(精度は普通) | あり(精度は普通) |
| UI・見やすさ | シンプルで見やすい | やや情報過多に感じた |
| 無料版の制限 | 口座4件まで | 広告表示あり、機能制限あり |
| 資産管理機能 | 充実(証券・iDeCo対応) | 基本的な機能のみ |
Zaimは「手入力派の人」に向いていると思う。手入力のUIが丁寧に設計されていて、レシートから自分でカテゴリを決めたい人には合っている。
マネーフォワードは「自動連携で全部任せたい人」向けだ。特に投資口座まで含めた総資産管理をしたい人には、Zaimより圧倒的に使いやすい。
続けるためのコツ、1年半やって気づいたこと
続けられている理由は「完璧を求めないようにした」ことが大きい。
現金払いをしたとき、レシートがなくて入力できないことがある。そのときは「食費」として大雑把な金額を入力するだけで終わりにした。正確じゃなくていい。「大体の傾向がわかれば十分」というモードに切り替えてから、ストレスが激減した。
もう一つのコツは「月末にスコアを見る習慣をつけたこと」だ。マネーフォワードにはカテゴリ別の予算設定機能があって、今月何%使ったかが色で表示される。食費が赤くなっていたら翌週の外食を1回減らす。それだけ。難しいことはしていない。
家計簿は「完璧な記録をつけるツール」ではなく「お金の流れを可視化するツール」だ。マネーフォワードはその用途に特化して作られている。3回挫折した僕が1年半続けられたのは、このアプリが「続かない人のために設計されている」からだと思う。
※本記事は筆者の個人的な見解であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。金融商品の価値は変動し、元本割れの可能性があります。
